診療看護師(NP)について
1.診療看護師(NP)とは
1960年代の米国では、医療費の高騰や医師不足に伴い看護師の業務拡大が検討されたことをきっかけに、各州で規定された裁量権の範囲で看護師が自律的に診療行為を行うことができるNurse Practitioner(NP)という新たな法的資格が創設されました。現在では、医療の質の向上・医療費削減等の成果を上げ米国の医療に大きく貢献しており、各国でもNP制度を導入する動きが広がっています。少子超高齢化が進展する日本においても医療費の増大や医療の地域格差など様々な医療問題に直面している中で、安全を確保し質の高い安定した医療提供を継続するため、NP制度の導入に関する検討が国レベルで始まっています。
一般社団法人日本NP教育大学院協議会では、国によるNPの制度化に先駆け2008年に日本版のNPである診療看護師(NP)の創設を行い、NP教育課程を有する大学院(修士課程)を修了し、NP資格認定試験に合格した看護師を診療看護師(NP)と認定しています。佐倉病院の診療看護師(NP)は、看護師の業務である診療の補助の範囲で、医師の指示のもと看護と医学の視点を用いてシームレスな医療提供1)や倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療2)を実践しています。また、多職種と連携・協働し、質の高いチーム医療3)を提供できるよう活動を行っています。
1)シームレスな医療提供とは
診療看護師(NP)は、療養上の様々な問題を解決するための看護実践能力に加え、幅広い医学的知識や技術を有しているため、看護と医学の双方の視点をもって患者さん・ご家族と関わることで、入院から退院そして外来と継続的で継ぎ目のない医療を効果的・効率的に提供することができます。
2)一定レベルの診療とは
佐倉病院の診療看護師(NP)は、特定行為に係る看護師の研修制度における研修を全て修了しているため、21区分38行為の特定行為を包括的指示のもと実施することができます。また、診療の補助の範囲内で、従来よりも高度な相対的医行為を医師の具体的指示のもと実践しています。これにより、医師とのタスクシフティング・タスクシェアリングが可能となり、患者さんに必要とされる診療をタイムリーに提供することができ、患者さんの生活の質の向上に寄与するものと考えています。具体的な診療行為としては、問診、身体診察、検査・治療計画の立案、各検査・治療・処置の実施、検査・治療の評価、電子カルテ上の代行入力等を実践しています。
これらの診療行為を診療看護師(NP)が臨床の場で安全かつ適切に行うため、佐倉病院では、診療看護師(NP)の資格を取得後に一定期間の臨床研修を各診療科で実施しています。臨床研修修了後は、専門性を高め、より安全な医療を提供するため特定の診療科で活動を行います。
3)チーム医療とは
各々の専門性をもつ医療スタッフが、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者さん・ご家族の状況に的確に対応した医療または支援を提供することがチーム医療の役割となっています。これにより、疾病の早期発見、回復促進、重症化予防、地域医療連携の充実等、医療の質の向上に繋がると考えられています。さらに、業務が組織化することにより効率性が向上し医療スタッフの負担が軽減するとともに、医療安全を高めると考えられ、近年ではチーム医療の実践が推進されています。
チーム医療における診療看護師(NP)は、看護と医学の視点を活かし医師と看護師間、また多職種間の連携を円滑にするための調整役となり、質の高いチーム医療の提供を目指し活動しています。
一般社団法人日本NP教育大学院協議会では、国によるNPの制度化に先駆け2008年に日本版のNPである診療看護師(NP)の創設を行い、NP教育課程を有する大学院(修士課程)を修了し、NP資格認定試験に合格した看護師を診療看護師(NP)と認定しています。佐倉病院の診療看護師(NP)は、看護師の業務である診療の補助の範囲で、医師の指示のもと看護と医学の視点を用いてシームレスな医療提供1)や倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療2)を実践しています。また、多職種と連携・協働し、質の高いチーム医療3)を提供できるよう活動を行っています。
1)シームレスな医療提供とは
診療看護師(NP)は、療養上の様々な問題を解決するための看護実践能力に加え、幅広い医学的知識や技術を有しているため、看護と医学の双方の視点をもって患者さん・ご家族と関わることで、入院から退院そして外来と継続的で継ぎ目のない医療を効果的・効率的に提供することができます。
2)一定レベルの診療とは
佐倉病院の診療看護師(NP)は、特定行為に係る看護師の研修制度における研修を全て修了しているため、21区分38行為の特定行為を包括的指示のもと実施することができます。また、診療の補助の範囲内で、従来よりも高度な相対的医行為を医師の具体的指示のもと実践しています。これにより、医師とのタスクシフティング・タスクシェアリングが可能となり、患者さんに必要とされる診療をタイムリーに提供することができ、患者さんの生活の質の向上に寄与するものと考えています。具体的な診療行為としては、問診、身体診察、検査・治療計画の立案、各検査・治療・処置の実施、検査・治療の評価、電子カルテ上の代行入力等を実践しています。
これらの診療行為を診療看護師(NP)が臨床の場で安全かつ適切に行うため、佐倉病院では、診療看護師(NP)の資格を取得後に一定期間の臨床研修を各診療科で実施しています。臨床研修修了後は、専門性を高め、より安全な医療を提供するため特定の診療科で活動を行います。
3)チーム医療とは
各々の専門性をもつ医療スタッフが、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者さん・ご家族の状況に的確に対応した医療または支援を提供することがチーム医療の役割となっています。これにより、疾病の早期発見、回復促進、重症化予防、地域医療連携の充実等、医療の質の向上に繋がると考えられています。さらに、業務が組織化することにより効率性が向上し医療スタッフの負担が軽減するとともに、医療安全を高めると考えられ、近年ではチーム医療の実践が推進されています。
チーム医療における診療看護師(NP)は、看護と医学の視点を活かし医師と看護師間、また多職種間の連携を円滑にするための調整役となり、質の高いチーム医療の提供を目指し活動しています。
2.活動紹介
看護・医学の視点を用いたシームレスな医療提供
タイムリーな症状マネジメント
医師・看護師・多職種との連携・協働によるチーム医療の実践
診療の補助における相対的医行為の実施
医師とのタスクシフティング・タスクシェアリング
診療看護師(NP)に関連した学会への参加・研究活動
院内での診療看護師(NP)の普及活動
日本DMAT隊員としての活動
タイムリーな症状マネジメント
医師・看護師・多職種との連携・協働によるチーム医療の実践
診療の補助における相対的医行為の実施
医師とのタスクシフティング・タスクシェアリング
診療看護師(NP)に関連した学会への参加・研究活動
院内での診療看護師(NP)の普及活動
日本DMAT隊員としての活動
3.スタッフ紹介

田中 康二郎
●田中 康二郎
私は、2020年に診療看護師(NP)の資格を取得し、佐倉病院での活動を開始しています。医師と看護師の中間的役割を担い、新たな医療提供体制を構築し地域医療に貢献できるよう努めてまいります。

奥田 純平
●奥田 純平
私は2024年に診療看護師(NP)を取得し東邦大学医療センター佐倉病院に入職しました。現在、腎臓内科のNPとして活動しており腎臓内科医とともに血液浄化療法、看護外来などを主に担当しています。
医師と看護師の中間的役割、架け橋としての活動を目指して佐倉病院、地域医療に貢献できるよう努めてまいります。