病院長挨拶
病院長 鈴木 啓悦

2024年7月より東邦大学医療センター佐倉病院の病院長を拝命いたしました。誠に微力ではございますが、地域中核病院として、また高度急性期病院として当院をさらに発展させ、皆様のお役に立てるよう尽力していく所存ですので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
当院は1991年9月に、西洋医学(蘭学)の街・佐倉で、東邦大学の3番目の病院として誕生しました。地域の皆様にご支援頂き、2021年には30周年を迎えることができました。現在は、災害拠点病院、地域医療支援病院、地域周産期母子医療センター、がん診療連携協力指定病院など多くの指定や機能を有する病院として活動しております。
当院では近年、高度治療室(HCU)・集中治療室(ICU)・手術室増室などの整備を進めて参りました。これまでに整備された放射線診断・治療装置やロボット支援手術システム(ダヴィンチ)などの先端医療機器と合わせて、高度急性期医療のために積極的に活用しております。たとえば最近では、泌尿器科・産婦人科・消化器外科で年間約250件のロボット支援手術を執刀しております。これらの結果、2024年6月よりDPC特定病院群へ昇格する事ができました。DPC特定病院群とは、大学病院本院以外の施設で「診療密度」「医師研修の実施」「高度な医療技術の実施」「重症患者に対する診療の実施」の4項目の診療実績を評価し、大学病院本院に準じた診療機能を有すると考えられる医療機関とされます。これは千葉県内でも10医療機関のみであり、これまでの当院の教職員全体での診療・教育への取り組みが評価されたものと嬉しく存じます。
地域中核病院として重要な救急医療に関しては、常勤の救急専門医と内科系・外科系の医師で構成される救急部を中心に幅広く緊急要請に対応し、皆様のご要望にしっかりと応じられる体制作りを強化しております。患者さんやご家族、地域の皆様が安心して暮らして頂けますよう、安全で優しい救急医療サービスの提供を続けてまいります。
高齢化社会において、今後は医療機関のさらなる機能分化の推進が求められております。私たちが常に目指してきた、患者さんが「最善の医療」を「最適な時期」に安心して受けることができますように、外来受診から入院・退院まで支援可能なシームレスな体制を構築してきました。今後はさらに質の高い医療を提供するために、地域の医療機関や介護施設さらには行政との連携を強化することで、地域での社会保障の最大化・最適化に貢献します。また医師・看護師・薬剤師・各種技師・社会福祉士・事務職が、それぞれの専門分野の知識を出し合い、多職種協働によるチーム医療を強化して参ります。
次世代の優れた医療人を育てることは大学病院である当院にとって重要な使命です。東邦大学は『自然・生命・人間』の建学の精神の下、生命科学に関係する5学部の教育を担っており、当院でも多職種の病院実習が行われております。2023年12月には卒後臨床研修評価機構(JCEP)の審査を受け、認定の更新を行うことができました。また専門研修プログラムに関しても、13の基本領域で基幹施設として認定されており、地域の関連施設とともに優れた専門医の育成を進めております。このような次世代の優れた医療人の育成のため、地域の皆様のご協力に感謝申し上げます。
引き続き、東邦大学医療センター佐倉病院への温かいご理解とご指導、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
令和6年7月現在