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糖尿病専門薬剤師(日本糖尿病療養指導士:CDEJ)

日本の糖尿病療養指導発展の歴史は浅く、昭和30年頃から各地で糖尿病患者の集団療養指導が医師と栄養士によって始まり、インスリンの自己注射の保険適用に至っては昭和61年からです。近年、日本での糖尿病とその合併症が増加し、特に進行増悪した合併症でQOLの低下する患者が激増し、糖尿病療養指導従事者の質的向上と人員の増加が望まれました。アメリカでは、すでに1970年代に、日本の現状と同じ悩みから出発して、認定糖尿病教育士(certified diabetes educator: CDE)の制度が1986年に発足しました。発足後、合併症の出現が低下するなどの実績を積んでいます。現在、それに習い多くの先進国で導入され、日本では2000年に日本糖尿病療養指導士(certified diabetes educator Japan: CDEJ)制度が誕生しました。

現在、日本の糖尿病患者は著しく増加し、約700万人以上います。一方、日本糖尿病学会認定医は2400名余に過ぎません。これらの患者様に効果的な療養指導を行うにはマンパワーが必要です。そこで、質が保証された糖尿病療養指導のできるスタッフの養成を目的としたCDEJ認定制度が作られました。現在まで6回の認定試験が実施され、11926名(薬剤師:1620名)のCDEJが誕生しています。認定された職種は、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士などです。あらゆる疾患の領域においても言えることですが、糖尿病領域は各職種の単独的な指導ではなく、チーム医療が基本となります。当院では医師、薬剤師、看護師、栄養士、検査技師が患者様の病態に対して同じレベルで指導できるように、患者様が携帯しているヘルスケアファイルを用いて指導にあたっています。

CDEJの介入でマンパワーが増えたことにより、10年後には、CDEJ介入前と比較し、検査値の改善、合併症進展の抑制、医療費の削減、治療脱落例の減少などが目に見えてわかり、CDEJの存在意義が評価されることが望まれています。そのために、我々CDEJが中心となり患者様一人一人に対し、柔軟な対応を心掛け、正しい知識を習得してもらい、健康な生活を送れるよう努力しています。

取得者

原 敬一
志村 翔大
吉持 遥子