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インフルエンザについて

(特別な病気のない、一般の健康成人の方を対象に記載してあります。)
2014年12月26日
東邦大学医療センター佐倉病院
病 院 長
感染対策室
  • ウイルスの感染症であり抗生剤は効かない事、ほとんどの方は、薬なしでも数日間で自然に治るという点では、むしろ風邪と同じです。風邪に比べて全身症状が強く、伝染しやすい事などは違いますが、マスコミ報道等では「風邪との違い」が強調されすぎているように思われます。健康成人の方で熱以外に特別な症状がない場合には、あわてる必要はありません。

  • インフルエンザ迅速診断はインフルエンザでなくても一定の割合で陽性になる場合がありますので症状とあわせて判断する必要があります。時期が早すぎると、陽性にならない場合も多く、微熱程度で検査を行うのは不適切です。健康保険で検査ができるのは1回だけです。

  • 高齢者や心臓、肺の病気のある方などでは、肺炎や喘息発作などの合併で重篤な状態になる事もありますので、A1の記載はあてはまりません。非常にまれですが、小児や若年者では、意識障害などを来たす「脳症」が起きる事もあります。万一、言動に異常がある、意識がおかしいなどの場合には、迷わず、救急車を呼んでください。ワクチン接種がこれらの重大な合併症の死亡率を下げると言われています。

  • 違います。症状が非常に重い場合は、インフルエンザ以外の、より重い疾患の可能性、まれな合併症の可能性もありますので、診察、検査が必要です。特に意識障害、呼吸困難などの場合は、救急車を呼んでください。

  • タミフルは、熱のある期間を平均、1-2日ほど、短くできるようです。大多数の方は、自然に治癒するわけですから、特別の病気のある方、高齢者の方、症状の重い場合以外では、タミフルの内服がどうしても必要なわけではありません。(イナビル、リレンザも同様です。)

  • タミフル耐性かどうかの検査は、病院ではできません。報道されている「タミフル耐性」というのは、主に試験管の中での話であって、今のところ、治療上の大きな問題とは考えられません。

  • タミフルを内服しても3-4日発熱が続く事は珍しくありません。他の風邪と同じように安静や水分補給が守られないとなかなか解熱しません。新たな症状がでてくる、症状がより重くなる、熱が5日以上続くなどの場合は、肺炎などの合併もありえますので、再度、受診してください。(高齢者、合併症のある方はより早期に)

  • 解熱・鎮痛剤で一番良く使われるアスピリン系の薬は、小児や若年者では、ライ症候群や脳症などの危険を増すといわれています。一般の成人では、危険度がそれほど高いわけではないのですが、喘息、胃潰瘍、腎臓病などの方は注意が必要です。アセトアミノフェン(カロナール)は、若干、効果が弱いですが、そのような場合でも安全に使用できるとされています。

  • 点滴は、2時間かけて、小型ペットボトル(500ml)1本の水分と100カロリー(ジュースコップ1杯)程度の栄養しか入れられませんので、口からとれれば、その方が効率的です。点滴でしか投与できない薬を使うために点滴を行う場合もありますが、インフルエンザの場合は該当しません。

  • インフルエンザの感染は、主に、咳や会話で飛び散る、「飛沫」を吸い込んだり、触ったりして、口に入る事が原因です。「飛沫」が飛ぶのは、半径2m程度に限られます。マスクによって、飛沫が飛び散るのを防ぐ事ができます。特に、熱や咳のある方は、他の方のためにも、必ず、マスクをするようにして下さい。気道粘膜の保温、保湿効果もあります。ガーゼマスクよりも、目の細かいタイプのものが、より有効です。お持ちでない場合は、総合案内、救急入り口の自動販売機をご利用ください。マスクの次に、手洗いやうがい(水で良いです。)も重要です。

  • インフルエンザウイルスは、気温が低く乾燥した環境に強いので、部屋の温度、湿度を保つ事も重要です。食事は、消化の良いものを少なめに。2-3日は食べられなくても仕方ありませんが、水分は、十分にとって下さい。水、スポーツドリンク、お茶、りんごジュースなどをあわせてとると良いでしょう。水分の量は、尿の回数を目安にしてくさい。朝、解熱していても、夜になると発熱する事が多いですので丸1日解熱するまでは油断しないでください。インフルエンザに、喘息や肺炎などを合併してくる事もありますので、症状が長引く場合には、再度、受診して下さい。

  • 学校保健法が2012年4月から改定され「発症したあと5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」が出席停止期間と決められました。会社については法令の規定はありませんが、学校保健法の規定に準じる場合が多いようです。しかし、これは目安であり、感染拡大を防ぐためには、「咳や熱があればマスクをする」「トイレ後や食事前の手洗い」といった予防策を日常的に行うことが重要です。「インフルエンザが治った事の証明」のための検査は行っておりません。