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感染対策について

2012年4月1日より佐倉病院に感染対策室が設置されました。

感染対策室は、感染制御医師ICD、専従の感染管理看護師ICN、感染制御認定薬剤師、感染制御認定臨床微生物検査技師、事務員で構成され、感染対策委員会のメンバーといっしょに活動を行っています。

2010年秋、都内の某大学病院で多剤耐性アシネトバクターによる院内感染が発生し、大きな社会問題となりました。
平成24年4月の診療報酬の改訂では、院内感染対策を強化するために、「感染防止対策加算1および2」と「感染防止対策地域連携加算」が新設されました。
当院では、「感染防止対策加算1」と「感染防止対策地域連携加算」を算定しています。「感染防止対策加算1」は、「感染防止対策加算2」を算定する医療機関の相談に応じ、年4回以上のカンファレンスの実施が義務付けられており、基幹病院として地域全体で感染対策に取り組んでいく姿勢が求められています。
当院は。佐倉印旛市郡において複数の医療機関と連携を行っています。また、「感染防止対策地域連携加算」では、「感染防止対策加算1」の算定医療機関同士が相互に施設に赴いて感染防止に関する評価を行う体制が必要です。これについては、東邦大学医療センター大森病院、東邦大学医療センター大橋病院と連携し、オール東邦で感染対策の強化、感染症データベースの統合、臨床研究の推進、多剤耐性菌の遺伝子解析や治療法の確立に取り組んでいます。

感染対策室の主な活動内容は以下の通りです。

① 病棟・外来ラウンド(巡視と指導)
② カテーテル関連感染症(血流感染や尿路感染等)、人工呼吸器関連肺炎、
  手術部位感染症、耐性菌(MRSAや多剤耐性緑膿菌等)のサーベイランス 
③ 感染対策マニュアルの作成・改訂
④ 抗菌薬使用のモニタリングと適正使用の推進
⑤ 職員研修(標準予防策や感染経路別予防策の徹底、職業感染の予防と対策)
⑥ 院内環境の整備、感染性廃棄物を含むごみ分別の適正化
⑦ インフルエンザやノロウィルス等の発生状況の把握、アウトブレイク対応
⑧ 医療機器の見直しによる院内感染対策の推進
⑨ 消毒・滅菌、清掃等の手技の見直し
⑩ 地域連携、情報の収集と提供
⑪ 論文の執筆、学会活動、トランスレーショナルリサーチの推進
⑫ 新規抗菌薬等に関する臨床試験の実施

 大学病院の入院患者は重症の方が多く、手術や薬物治療の侵襲や合併症等により、感染への免疫力が低下しリスクを伴っています。また、医療機関は、さまざまな疾患の治療を実施する場所であるため、感染症が発生しやすい環境でもあり、多剤耐性菌の存在にも注意が必要です。
 院内における感染防止対策の基本は、合併症としての感染症を可能な限り低減させることと、医療者を職業感染から防御することであると考えられています。感染症は、易感染宿主に発生した場合や多剤耐性菌が原因となっている症例においては、治療が困難で重篤な経過となることがあるため、発生を未然に防ぐ(感染を予防する)ことが極めて重要で効果的です。
 院内感染対策の重要性は、ますます強く認識されるようになってきました。患者と医療従事者の安全を守り、医療コストの軽減に寄与し、耐性菌の発生を制御するために、感染対策室は多職種協働によるチーム医療を実践し、実動部隊として院内を横断的に活動することによって、感染症の予防、診断、治療に対して総合的なサポートを提供していきたいと考えています。